ノートルダム大聖堂にある宝飾品・美術品というのは

―基礎知識・教会編―

大聖堂の宝飾品は財力の証

教会には何故、豪華な宝飾品・美術品のような物がたくさんあるのでしょうか。
小さな教会堂だった建物が、キリスト教としての権威が高められていき一財を投じて壮大な大聖堂に生まれ変わる時には、権威のある司教座聖堂として建物同様 財力の証として内外に示す必要がありました。

またこの頃はいくつかの司教領をまとめるその上の大司教の存在があり、パリのノートルダム大聖堂などは大司教座聖堂と言われていました。
元々、宗教自体は豪華でなければならないわけではなく、むしろ豪華である必要はなかったのです。

また装具品はあってもそれらも宝飾品(美術品)でなくても良かった筈です。でも当時は宗教+町の代表でもあり権力が集中する教会だからこそ宝飾品は財力の証であり豪華でなければならないというのも肯けます。




ノートルダム大聖堂も豪華である必要はありません

ノートルダム大聖堂も本来聖なる場所を作り上げる必要はあっても何も豪華で飾り付ける必要はありません。

では、何故そうなってしまっているのでしょうか。

ノートルダム大聖堂が建設されていく12世紀以降15世紀までがゴシックと言われる壮大な建築様式全盛の時代。昇天するキリストにできるだけ近づきたいという建築欲によって壮大且つ豪華な装飾なども際立っていました。

教会=神の存在ですから地上のどんなに権力のある肩書を持った人でも天に召された神様には近づけない存在のなのです。
ですから、教会が社会生活の中で最も神に近い位置にいまして、そして次に王や貴族などが続いているという考え方に基づいています。

確かに「困った時の神頼み」と言っておすがりしてしまう事ってありますよね。
従って教会の権威が高くなれば町に対しても影響力が強くなることで、この頃は町を治める者が教会の高位聖職者などで同じ役割を担っていたわけです。

パリをはじめノートルダム大聖堂がある現在の町は大司教区または司教区と呼ばれていましたが、そこで働く大司教などはその教会の顔であると同時に町の政務も執り行う権力者でもありました。

ですから、どこの司教区と比べても見劣りする事が無いようできるだけの宝飾品を身に付けて財力を見せつけていたのです。
ノートルダム大聖堂などであれば、装具品は宝飾品ですからため息が出るものばかりです。

ノートルダム大聖堂に保管されている宝飾品(美術品)は

本来ノートルダム大聖堂ともなると定例のミサの他年間の宗教催事やローマ法王が来られる特別な式典などに備えて最高の宝飾品などを所有しています。
・「聖杯」「聖体皿」…ノートルダム大聖堂にもミサで使用するものは勿論、展示室に飾ってあるような美術品のような高価な宝飾品などはむしろ装飾のように保管しておくものや特別の祭事の時のみに使用されたものが殆どです。

ノートルダム大聖堂にも保管されている最も高価な宝飾品や装具品は、

・聖書に登場する聖人が身に付けていたといわれるもの

・歴代の高位聖職者から受け継がれてきたものそしてイエスキリスト、聖母マリアが身に付けていたものと言われる装具品など

ノートルダム大聖堂なども由緒ある品を聖なる物(奇蹟を呼ぶもの)として所有するところも多いです。

歴史のあるノートルダム大聖堂であればこそ積み重ねてきた美術品の数も多いことでしょう。
教会を訪れる楽しみが益々増えますね。

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