ノートルダム大聖堂って木造建築…ですか?

―基礎知識・教会編—

現代の高層建築物と言えば様々な建材が使用されていますが、ノートルダム大聖堂の建築が始まる12世紀や13世紀というのは石材か木材という考え方でした。
結果的に日本のような木造建築が流行らなかった訳ですが、その理由としては気候や湿度などの問題、木材の需要が少なかったなどの理由で、過去に使われてこなかったというのもあると思います。

ノートルダム大聖堂に見る建物に対する考え方

ノートルダム大聖堂などの教会や、貴族のお屋敷などの建物は大抵そこに既に何らかの形で現存する建物を使っていという考え方です。
ですから元々は最初に誰かが作った建造物なのですが、持ち主がいなくなって使う当てがなくなったものを買収して自分の建物として建てていくという考え方が多くありました。

町の中心に建っていた建物や、山の頂上に立っていた物でもそこに石材などを運ぶ労力は測り知れないものであった筈です。
中世という時代は教会が中心でしたから、建て増しの考えは殆ど教会建築に集約されます。

そうなると元々あった建物の基礎はそのままに増築していくという考え方ですからノートルダム大聖堂の場合には後はどうやったら高層にできるのかという事だけを考えるだけで、結果的にコストも抑えられる訳ですね。




ノートルダム大聖堂に見る高層建築の考え方

フランスで生まれたゴシック建築という発想は、ノートルダム大聖堂に見られるように画期的な方法でそれを可能にして一つの建築のブームを作りました。
でも、見えないところで試行錯誤していたのが良くわかるのですが、これが木材を使うという事です。

特に中世という時代はとりわけ火事は懸念材料だったというのもあります。
ノートルダム大聖堂に見られる高さを取る場合、支えがしっかりしているとは言えやはり、できるだけ負荷はかけたくない為に上の部分を軽くするので一部木材にするわけです。

ノートルダム大聖堂のように聖堂内が広く高くなればやはり上層からの負荷という心配事が増えるでしょうから、当時の司教さんはハラハラしていたに違いありません。

大聖堂建設は木材を使いながら高さで競い合っていた?

ノートルダム大聖堂をはじめ周辺国のほぼ同じ時期にゴシック建築で建て増しされた大聖堂は高層になった分、それは外観も壮大なスケールへと変貌していきます。
ゴシック建築の相言葉は教会にとって「天に届くくらい高く建てる」という理想がありました。
その理想を具現化するために高い尖塔を持つ大聖堂が作られていったのが13~15世紀の時期になります。

これは明らかではありませんが、その時期に在任する司教さんにとって一世一代のことですから、ノートルダム大聖堂や周辺の大聖堂では高さの表記を見るたびに一番を目指すという建築欲で競い合っていたのではないかという事をいつも考えてしまいます。

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