半沢直樹 原作者は 社会派「痛快」ドラマの火付け役

半沢直樹 原作者は池井戸潤

「やられたらやり返す、倍返しだ」が印象的だったドラマ「半沢直樹」。
この半沢直樹の原作者は、今や2010年以降、テレビの主役といわれる程の数々の話題作を世に送り続けている池井戸潤さんです。

銀行業界の見えない組織の一面を池井戸潤さん自身も銀行員であった経歴から見ている人にも分かり易く、そこには銀行という組織の中に潜む人間模様とその中でのシリアスに展開していく社会派ドラマでの駆け引きは毎回痛快でした。




半沢直樹は世代で感じる闇を原作者の目線で表現したエンターテイメント

原作者に一番近い年代の主人公として半沢直樹という人物が生まれています。
原作者自身が経験してきた平成の時代が始まる頃、バブルといわれる80年代の銀行という組織の荒波を生きてきました。

原作者は半沢直樹という人物に投影して組織にモノ言えない人たちに現代のモノ言う銀行マンとして型破りに見えてしまう本音を通してワクワクドキドキできるエンターテイメントを伝えたいというねらいがあったようです。

池井戸潤さんは、自身が入行したバブルの時代からドラマが始まるまでの間、銀行で起きる様々な問題や人間模様を雑誌という枠の中で連載してきました。
それによって半沢直樹はサラリーマン世代にとって身近なものとなっていき、働く現代のサラリーマンに活力を与えてきました。

その他にも「ルーズベルトゲーム」や「下町ロケット」更に「陸王」などの逆境から這い上がるドラマの人間模様を描いた作品として人気がありましたが、果たしてこれらの作品もエンターテインメントを意識した作品にしたかったのでしょうか。

半沢直樹は現代の痛快ドラマの火付け役でもあります

『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』この池井戸潤さんの原作を基に半沢直樹はドラマで登場しました。
現代社会に活を入れる痛快ドラマの火付け役として「花咲舞が黙ってない」でも銀行に潜む筋の通らないことに対して「黙っていない」という主人公のスタンスは見る人を惹き込みそこで放つ言葉の痛快さが話題になりました。

まるで現代版の水戸黄門を見ているようでしたね。
主人公は異なりますが、銀行を舞台に様々な問題が露呈し、それに対し真っ向からぶつかる半沢直樹や花咲舞に見る主人公の姿は実社会では中々ありえないところであるからこそ観る人を惹きつけていました。

テレビドラマも2000年前後頃から閉塞的な世の中の火付け役として風穴を開けるかの如く痛快に物言う主人公のドラマは多くありました。
当時から観ている人もスカッと爽快な気分なれることで一種の型破り的なドラマはこれまでも支持されてきました。

大きな組織の中で信念を貫く半沢直樹も物言う主人公の社会派痛快ドラマとしての火付け役であったことは間違いないでしょう。

半沢直樹をテレビドラマ化するにあたって

半沢直樹は平均視聴率28%(最終回の視聴率では平成ドラマの中では1位を記録した42.2%)多くの人に支持されました。

「倍返し」という言葉が流行語となり国民的ドラマとなったわけですが、半沢直樹をテレビドラマ化するにあたって当初、放送局側はそれ程大きな期待はしてはいなかったようです。
社会派痛快ドラマはこれまでもありましたが、放送局側としては銀行業界を舞台に男社会の中にある見えない権力闘争がクローズアップされたドラマであったからです。

予めテレビドラマ化するにあたって視聴層もある程度絞っていたことから一部の人にしか分からないであろうと考えられていたため、視聴率も大きな数字は見込んでいませんでした。

しかし、放送局側の思惑とは裏腹に社会の中でも組織の中でも言いたいことがうまく言えない多くの働く世代だけでなく身近な人間関係にも通じる多くの世代からも関心が広がっていきました。

半沢直樹をテレビドラマ化した事によって権力の荒波に真っ向立ち向かっていく姿が観ている人たちに勇気を与え、多くの人が惹きつけらる結果となりました。
結局はテレビドラマ化した事は、放送局側の嬉しい誤算であったわけですね。

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